カタールW杯に出場する全32チームを紹介。
今回は、最終予選をグループ3位で終え、アジア予選プレーオフに回ったUAEとの一発勝負、大陸間プレーオフではペルーとのPK戦にまでなった死闘を制し、5大会連続6回目の出場に漕ぎつけた、逆境でこそ燃える集団、アジア代表のグループD・「オーストラリア代表」。
基本情報
出場回数 | 6回目(5大会連続) |
最高成績 | ベスト16 |
FIFA ランキング | 39位 |
首都 | キャンベラ |
人口 | 2575万人 |
監督 | グアラム・アーノルド |
愛称 | サッカルーズ |
<直近6試合の成績>
3/30 | W杯予選 | サウジアラビア | ● | 1-0 | A |
6/2 | 親善試合 | ヨルダン | 〇 | 2-1 | N |
6/8 | W杯・プレーオフ | UAE | 〇 | 1-2 | A |
6/14 | W杯・プレーオフ | ペルー | 〇 (PK) | 0-0 (5-4) | N |
9/22 | 親善試合 | ニュージーランド | 〇 | 1-0 | H |
9/25 | 親善試合 | ニュージーランド | 〇 | 0-2 | A |
・長く慣れ親しんだ大陸間プレーオフで31番目の出場権を勝ち取り、5大会連続6度目のW杯出場に漕ぎつけた、「サッカルーズ」の愛称で知られるオールトラリア代表。
・UAEとのアジア予選プレーオフは、中立地とは言い難いドーハで行われたが【1ー2】で撃破し、ペルーとの大陸間プレーオフでは決定力を欠き、PK戦に突入するもGK交代の奇策がハマり、紙一重で勝利を収め、一時期は解任騒動が上がってアーノルド監督もギリギリの所で首の皮が繋がった。
・予選での苦悩が物語るように、メンバーの質と量は厳しいものがあるが、”アンダードック”になると無類の粘り強さを発揮するだけに、グループ最弱の下馬評を覆すような活躍が期待される。
監督
名前 | グアラム・アーノルド |
生年月日 | 1963.8.3(59) |
国籍 | オーストラリア |
就任 | 2018.7月 |
・長くA代表のアシスタントコーチを務め、18年に自身2度目の監督に就任。
・苦しみながら辿り着いたカタールW杯で有終の美を飾る。
・現役時代は、オランダ、ベルギーを渡り歩く。代表キャップ数は、56試合で19ゴールを記録。
基本フォーメーション・戦術
繋ぎと素早い展開を使いわけ 逆境でこそ燃える粘り強さで下馬評を覆す
<基本フォーメーション>

・【4-2-3-1】がオーストラリア代表の伝統だが、最終予選の終盤とプレーオフでは【4-4-2】を採用。その理由は、相手チームのシステムに対応する目的と、ケネディやケイヒルといった前線で空中戦に勝てる存在である1トップが不在なことだ。
・2トップのフルスティッチが中盤に降りてきて、【4-2-3-1】・【4-3-3】に変化することもある。
・絶対的なFWの不在に加え、数人の主力選手の所属先が決まらないこともあり、開幕までに新戦力の台頭がなければ厳しい戦いが予想される。
<攻撃時>

・前への推進力に優れたウイングがサイドをえぐり、バイタルゾーンに侵入するか、クロスを上げるサイドアタックのチーム。特に右サイドの比重が高く、SBとボイルの突破力が生命線。
・アンジ・ポステルグルー元監督の影響で、”繋ぐオ―ストラリア”と思い浮かべられるが、今のA代表チームは繋ぎと素早い展開を使いわけ、ポゼッション時は両SBが高い位置を取り、ウイングがその前のスペースに走り込む。場合によっては、最終ラインからのロングボールも厭わない。
・最前線のレッキ―は、推進力、キープ力、高さを備え、人材豊富なウイングとの最適解を見いだせれば、相手にとって脅威となるだろう。また、スピードを備えるマビルを、疲れが見える後半に投入するのも効果的だろう。
<守備時>

・ボールを奪われれば、近い所からプレスを仕掛けるが、しつこく追いかけることはせずに、全体がリトリートして素早く守備陣形を整える。
・攻め込まれる場面では、ボールに近い人からプレスを仕掛け、ボール奪取を狙う。
注目選手(4人)
エイダン・フルスティッチ (MF/ヴェローナ)
・”サッカールーズの大黒柱”
・オーストラリア代表で、数少ないドリブルやパスで”違い”を生み出せるレフティー。ユース時代からヨーロッパを渡り歩いて経験と実績を積み重ね、昨季はEL制覇を果たした。
・中盤の要として、ビルドアップからフィニッシュまでの幅広い局面で貢献する。左足のキックは的を射抜くほどの正確性と威力を誇り、精度の高いFKも脅威。
アワー・マビル (FW/カディス)
・”快速ウインガー”
・移民国家・オーストラリアの象徴。スピートを活かしてサイドからゴールに迫るプレーが魅力。守備時のインテンシティーも高く、常に一直線に全力疾走する。
・デンマーク、ポルトガル、トルコを経て、今季からラ・リーガに挑戦。パス、判断力に磨きをかけ、さらなる高みを目指す。
アーロン・ムーイ (MF/セルティック)
・”攻守の要”
・キープ力を活かしてプレスを巧みに避け、広範囲にパスを散らして攻撃を組み立てる。強靭なフィジカルを備え、空中戦やセットプレーでも相手の脅威となる。
・2015/16シーズンにリーグ戦2桁得点&アシストを記録。Aリーグ屈指の司令塔へと覚醒を遂げた。その後、2016年にマンチェスター・シティと3年契約を締結するも、チームを転々と渡り歩き、今シーズンからセルティックに加入。
マティ・ライアン (GK/コペンハーゲン)
・”守護神にしてキャプテン”
・プレミアリーグでの経験が豊かで、小柄ながらもアグレッシブなプレーで存在感を放つ。ずば抜けた反射神経を駆使して、ギリギリまで相手の動きを見極める。
・精神面で頼りになるが一方で、足元の技術には乏しい。今季から出場機会を求めてコペンハーゲンに移籍した。
選手一覧
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | |
1 | マティ・ライアン | 30 | コペンハーゲン | 74試合 | ・アーセナルやレアル・ソシエダにも在籍していた |
12 | アンドリュー・レッドメイン | 33 | シドニーFC | 3試合 | ・ペルーとのPK戦で一躍ヒーローに |
18 | ダニー・ブコビッチ | 37 | セントラルコート・マリナーズ | 4試合 | ・国内屈指のGK ・息の長い大ベテラン |
16 | アジズ・べヒッチ | 31 | ダンディーユナイテッド | 52試合(2) | ・攻守の両面で高い貢献度を誇る |
8 | ベイリー・ライト | 30 | サンダーランド | 27試合(2) | ・イングランド下部で長くプレーする堅実なCB |
19 | ハリー・ソウタ― | 24 | ストーク | 10試合(6) | ・愛すべき大巨人。大ケガからの復帰を目指す |
5 | フラン・カラチッチ | 26 | ブレシア | 9試合(1) | ・粘着性の高い守備対応で相手の自由を奪う大型右SB ・クロアチア生まれ |
4 | カイ・ロールズ | 24 | ハーツ | 3試合 | ・プレーオフで評価が上昇し、スコットランドに移籍 |
3 | ナサニエル・アトキンソン | 23 | ハーツ | 3試合 | ・カラチッチと右SBの座を争う |
24 | ジョエル・キング | 22 | オーデンセ | 2試合 | ・右肩上がりの成長曲線を描く左SB |
20 | トーマス・デン | 25 | アルビレックス新潟 | 4試合 | ・19歳で代表入りも、ケガの影響でレギュラー争いに参加できず ・9月に代表復帰 ・マビルと同じく難民キャンプ出身 |
2 | ミロシュ・デゲネク | 28 | コロンバス・クルー | 37試合 | ・高さと強さを活かして対人戦には滅法強く、スピードもあり裏抜けを許さない ・MLSで堅実なプレーを披露する |
13 | アーロン・ムーイ | 32 | セルティック | 52試合(7) | ・オランダにルーツを持つ |
22 | ジャクソン・アーバイン | 29 | ザンクトパウリ | 48試合(7) | ・運動量豊富な中盤のハードワーカー |
10 | エイダン・フルスティッチ | 26 | ヴェローナ | 19試合(3) | ・アンカーで新境地を開拓 |
14 | ライリー・マクグリー | 24 | ミドルズブラ | 9試合(1) | ・次世代を担う攻撃型MF |
26 | キアヌ・バッカス | 24 | セント・ミレン | 1試合 | ・9月に代表に初招集され、たった7分のプレーのみで登録メンバに選出された、南アフリカ出身の守備的MF ・中盤でボールを奪えば、即座にボールを前に運んで攻撃の起点を創る |
17 | キャメロン・デブリン | 24 | ハーツ | 0 | ・豊富なスタミナと献身的な守備でチームを支える |
7 | マシュー・レッキー | 31 | メルボルン・シティ | 71試合(13) | ・豊富な運動量で、ウイング、CFでプレーする、チームに欠かせない存在 |
11 | アワー・マビル | 27 | カディス | 28試合(7) | ・ケニアの難民キャンプ生まれ |
9 | ジェイミー・マクラーレン | 29 | メルボルン・シティ | 25試合(8) | ・国内では評価の高いFWだが、サウジアラビア戦より結婚式を優先して物議に |
15 | ミッチェル・デューク | 31 | ファジアーノ岡山 | 20試合(7) | ・ポストプレーと的確なポジショニングが武器で、ヘディングシュートの精度も高い ・闘志あふれるプレーでチームを鼓舞 |
6 | マーティン・ボイル | 29 | ハイバーニアン | 18試合(5) | ・スコットランド出身で、右サイドに不可欠 |
23 | クレイグ・グッドウィン | 30 | アデレード・ユナイテッド | 10試合(1) | ・堅実なプレーで存在感を放つ |
25 | ジェイソン・カミングス | 27 | セントラルコースト・マリナーズ | 1試合(1) | ・スコットランド出身で。レンジャースやスコットランド代表歴もあるゴールハンター ・ゴール前での精度の高い左足のシュートが魅力 ・ファーストタッチとオフ・ザ・ボールの動きが秀逸 |
21 | ガラン・クオル | 18 | セントラルコースト・マリナーズ | 1試合 | ・ニューカッスルへの移籍が内定している超新星 ・アフリカ特有の身体能力の高さを活かして大型DFにも競り勝ち、アクロバティックなプレーも見せる |
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