カタールW杯に出場する全32チームを紹介。
今回は、アフリカネイションズカップを制し、絶頂を迎えたアフリカ屈指のタレント集団を擁する、アフリカ代表のグループA・「セネガル代表」。
基本情報
<直近6試合の成績>
3/25 | W杯予選 | エジプト | ● | 1-0 | A |
3/29 | W杯予選 | エジプト | 〇 | 1-0 | H |
6/4 | AFCON | ベナン | 〇 | 3-1 | H |
6/7 | AFCON | ルワンダ | 〇 | 1-0 | H |
9/25 | 親善試合 | ボリビア | 〇 | 0-2 | A |
9/27 | 親善試合 | イラン | △ | 1-1 | H |
・黄金世代を迎えたアフリカ屈指のタレント集団は、グループステージ敗退に終わったロシアW杯の雪辱に燃える。
・今大会の布陣は歴代最強の呼び声も高く、最後尾から最前線まで欧州の第1戦で活躍するタレントを擁する。後方ではショットストップに定評のある守護神のE・メンディや世界屈指のCBクリバリが堅固な守備陣を統率し、中盤では屈強な門番たちがボールをハント。さらに韋駄天のマネを筆頭に高いアスリート能力を誇る攻撃陣が、スピード感あふれる攻撃を繰り出して直線的にゴールを目指す。
・豪華なタレントを揃えた”テランガのライオン”は、シセ長期政権下で強固な守備組織と世界屈指の速攻を磨き上げ、カタールの地で世界を震撼させる手筈を整えた。アフリカの頂を経験した黄金世代が全盛期を迎えた今、日韓W杯のベスト8の再現、そしてさらなる高みを目指せるはずだ。
監督
(名前) | アリウ・シセ |
(生年月日) | 1976.3.24(46) |
(国籍) | セネガル |
(就任日) | 2015.3月 |
・現役世代はセネガル代表のキャプテンとして、2002年日韓W杯のベスト8入りに大きく貢献。ドレッドヘアーがトレードマークで、ダンディな出立ちでも脚光を浴びる。
・マネを筆頭に大会随一の爆発力を誇る攻撃陣のアスリート能力と驚異的なスピードを武器に、アフリカ屈指のタレント軍団の個性を最大化させる戦術を引く。
・就任7年目で迎えるカタールW杯は、黄金世代と言われるチームの集大成だ。
基本フォーメーション・戦術

<攻撃編>

・中盤が空洞化することが特徴。中盤の3枚は屈強なフィジカルとボール奪取能力に長けた組み合わせの反面、ゲームメイク能力に難がある。まず、アンカーのN・メンディーが最終ラインの中央に落ち、ダウンスリーでクリバリとA・ディアロをサポート。一方、インサイドハーフのI・ゲイェとクヤテが比較的高い位置を取ることでセカンドボールの回収を狙う。
・ダウンスリーは後方でリスク管理を行いながら、クリバリかA・ディアロが手数をかけずに高精度のロングフィードを前線に配給する。最前線のCFが空中戦で競り合ったセカンドボールをマネやI・サールが拾うと一気にスピードアップする。
・第二の特徴はウイングがワイドに開くのではなく、ハーフスペースを立ち位置に取ることだ。大外のレーンはSBが攻撃参加の上下動で活用するスペースであり、ウイングは内側のレーンでCFのサポートを行う。
・さらに相手陣地深くまではチャネルランを数多く繰り返し、オフ・ザ・ボールでも積極的に関与を続ける。自らがボールを保持する時間が延びると膠着した展開に持ち込まれる試合も少なくものの、同等か格上相手の対戦が多くなるW杯大会では、この点が大きな懸念にはならないだろう。
<守備編>

・直線的な攻撃を志向するため、攻撃時の後方でリスク管理を重視するのが特徴。ネガティブトランジションではリトリートを最優先に考え、自陣で撤退守備を行い、リトリートとハイプレスを使い分ける洗練された組織的な守備を行う。守備陣形が整うと相手を中盤の網に誘導してカウンター発動を狙う。
・自陣深くでブロックを構える際は抜群のセービング能力を誇るE・メンディと世界最高クラスのCBであるクリバリを中心に、地上戦、空中戦ともに屈強な分厚い壁が跳ね返し続ける。劣勢時の強度と耐久性が前回大会から組織として大きく成長した。
注目選手(4人)
サディオ・マネ(FW/バイエルン)
・”ワールドクラスのウインガー”
・得点力もアシストセンスも世界最高峰。前線で絶大な存在感を放つ。特徴はそのスピード、フィジカル、技術を活かしたドリブル、そして献身性。攻守の両面で精力的にスプリントを繰り返し、自らゴールを決めることもできるが、周囲の状況を把握して判断を変えられるオフ・ザ・ボールの動きも秀逸。
・昨季は、ルイス・ディアスの加入により中央にポジションを移すと、下がってボールを受けてチャンスメイクをこなすなど偽9番として効果的に機能。
・ハイプレスや、リトリート時の守備貢献も顕著で、現代のFWに求められる能力をハイレベルで備える。
・今夏、数々の栄光を手にしたレッズを去り、ドイツの名門バイエルンへ。
エドゥアール・メンディ(GK/チェルシー)
・“アフリカ王者の正守護神”
・高いセービング能力でクリーンシートを連発し、確固たる地位を築くGK。2020年にチェルシーに加入すると、いきなりCL制覇に貢献。セネガル代表としても、アフリカネイションズカップ(AFCON 2022)では決勝でエジプトをPK戦の末破り、優勝を果たす。
・ポジショニングが雑で、セカンドゴールに対する意識も比較的低いが、身長と手足が長いので細かいポジショニングをしなくても、体のどこらかしらボールを当てることができる。ハイボールに強く、驚異的な反応の速さは味方に安心感を与える。
・チェルシー加入前は、1年間無所属を経験。
カリドゥ・クリバリ(DF/チェルシー)
・”怪物CB”
・名実ともに世界最高クラスで、対人守備は無敵。190cm近い身長と分厚い体を持つと同時に機敏さとスピードもトップクラス。鋭い読みや最終ラインのコントロールも抜群。対人守備だけでなく、広大なスペースをカバーすることも可能。
・足元の技術を活かした攻撃面での貢献度も大きい。正確な縦パスを中盤につけ、圧倒的な高さを活かしてのセットプレーと、CBとしてほぼ完成体。
イドリサ・ゲイェ (MF/エバートン)
・”潰し屋”
・守備を一手に引き受け、黒子役に徹する守備的ミットフィルダー。
・豊富な運動量でピッチを縦横無尽に駆け回り、危機察知能力、思い切りの良さが光るタックラー。中盤でにらみを利かせながら、少しの隙も見逃さずにボールをかっさらい攻撃の芽を摘む。
・今シーズンから古巣のエバートンに復帰。
選手一覧
<GK>
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | |
16 | エドゥアール・メンディ | 30 | チェルシー | 25試合 | ・失業保険で生活苦を逃れた過去を持つ |
23 | アルフレッド・ゴミス | 29 | レンヌ | 13試合 | ・反応スピードと安定したセービングに定評があり、高いPK阻止率を誇る |
1 | セニー・ディエン | 27 | QPR | 4試合 | ・守備範囲が広く、シュートへの反射神経も良い |
<DF>
3 | カリドゥ・クリバリ | 31 | チェルシー | 62試合 | ・人種差別とも戦う |
21 | ユスフ・サバリ | 29 | ベティス | 24試合 | ・昨季はベジェリンの控えながら、シーズンが進むにつれて存在感を増した |
22 | アブドゥ・ディアロ | 26 | ライプツィヒ | 17試合(2) | ・ドルトムント時代に評価を高め、その後はPSGに移籍 ・今夏に出場機会を求めてRBライプツィヒに移籍 |
12 | フォデ・バロ・トゥーレ | 25 | ミラン | 13試合 | ・粗削りな守備を改善し、自慢の攻撃力をアピールして定位置を狙う |
4 | パプ・アブ・シセ | 27 | オリンピアコス | 12試合(1) | ・対人能力の高さと空中戦の強さが特徴 |
24 | ムスタファ・ナメ | 27 | パフォスFC | 6試合 | ・視野の広さを活かしてパスを散らせば、機を見て攻め上がりネットを揺らすことも |
2 | フォルモーゼ・メンディ | 21 | アミアン | 1試合 | ・長い足を活かしてパスを遮れば、パスとドリブルで攻撃を活性化する |
14 | イスマイル・ヤコブス | 23 | ASモナコ | 2試合 | ・ドイツ代表としてU-21ヨーロッパ選手権でで優勝を経験したが父の祖国を選択 |
<MF>
5 | イドリサ・ガナ・ゲイェ | 33 | エバートン | 94試合(7) | ・元エバートンの選手だけに、マネのリバプール退団を歓迎 |
8 | シェイク・クヤテ | 32 | ノッティンガム・フォレスト | 82試合(4) | ・長くプレミアで実力を示してきたベテラン |
6 | ナンパリス・メンディ | 30 | レスター | 17試合 | ・高いボール奪取能力が武器 ・代表では中盤のバランサー |
26 | パプ・ゲイェ | 23 | マルセイユ | 10試合 | ・高いアスリート能力と強靭なフィジカルを生かしたダイナミックなプレーで、チームを活性化 |
17 | パプ・マタル・サール | 20 | トッテナム | 7試合 | ・次世代を担う期待のヤングスター |
25 | ママドゥ・ルム | 25 | レディングFC | 3試合 | ・頑強な体を生かした球際の強さと、安定した技術と球出しで組み立てに貢献 |
11 | パテ・イスマエル・シス | 28 | ラ―ジョ | 1試合 | ・豊富な運動量と判断力で中盤を席巻する遅咲きMF ・今季はバルセロナを完封してみせた |
15 | クレパン・ディアッタ | 23 | ASモナコ | 26試合(2) | ・右サイドで躍動するウインガー ・積極的にゴールに迫り、複数の攻撃的ポジションで起用可能 |
<FW>
18 | イスマイラ・サール | 24 | ワトフォード | 47試合(10) | ・次世代のスター候補 |
19 | ファマラ・ディエディウ | 29 | アランヤスポル | 24試合(10) | ・最前線でポスト役となって攻撃を機能させる貴重なピース |
9 | ブライェ・ディア | 26 | サレルニターナ | 17試合(2) | ・身体能力に恵まれ、抜群のバネをを生かしたプレーは見もの |
20 | バンバ・ディエン | 22 | マルセイユ | 11試合(2) | ・名門マルセイユで台頭し、評価急上昇の若手ストライカー |
7 | ニコラス・ジャクソン | 21 | ビジャレアル | 0 | ・将来有望のアタッカー ・ウインガーだがCFでも起用可能 ・広範囲に動き回り、鋭いドリブルとシュートでゴール、アシストともに量産する |
13 | イリマン・エンディアイェ | 22 | シェフィールド・ユナイテッド | 1試合 | ・無理な姿勢からでも貪欲にゴールを狙い、開幕から得点を量産するアタッカー |
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