カタールW杯に出場する全32チームを紹介。
今回は、予選最終ラウンドでナイジェリアとの壮絶な試合の末、アウェイゴール差で勝ちあがった、アフリカ代表のグループH・「ガーナ代表」。
基本情報
出場回数 | 4回目 |
最高成績 | ベスト8 |
FIFAランキング | 60位 |
首都 | アクラ |
人口 | 3107万人 |
監督 | オットー・アド |
愛称 | ブラックスターズ |
<直近6試合の成績>
6/5 | AFCON | 中央アフリカ | △ | 1-1 | N |
6/10 | キリンカップ | 日本 | ● | 4-1 | A |
6/14 | キリンカップ | チリ | 〇 (PK) | 0-0 | A |
9/24 | 親善試合 | ブラジル | ● | 3-0 | A |
9/28 | 親善試合 | ニカラグア | 〇 | 0-1 | A |
11/17 | 親善試合 | スイス | ● | 2-0 | N |
・ドイツのハンブルク、ドルトムントでアシスタントコーチを務めたアッド監督は分析家で、相手の状況を見ながら攻撃的な戦いと守備的な戦いを使いわける。選手たちもトーマスを中心に個の力だけでなく戦術遂行能力が高い。
・6月のキリンカップでは日本に4-1で敗れたが、アフリカ・ネーションズ・カップ予選を戦った直後の遠征だったこともあり、メンバー的にもテストの色が濃かった。一方で、根気強い説得が実って、ガーナにルーツを持つ、イニャキ・ウィリアムスとランプテイの招集に成功した。
・チームには得点を約束してくれるストライカーが存在しないだけに、組織力がブラックスターズの生命線になりそうだ。W杯では波に乗ればポルトガルが本命のグループGを勝ち抜き、ベスト8も夢ではない。
監督
名前 | オットー・アッド |
生年月日 | 1975.6.5(47) |
国籍 | ガーナ |
就任日 | 2022年2月 |
・現役時代は大型ウイングとして鳴らしドルトムントなど出生国ドイツのクラブでプレー。
・マインツ時代に出会ったクロップ監督に感銘を受けたことが、現在のキャリアに繋がっている。
・相手チームを綿密に分析し、采配に反映する。
基本フォーメーション&戦術
タレント力で中盤を掌握し 組織的な攻撃が光るブラックスターズ
<基本フォーメーション>

<攻撃編>

・ショートカウンターがチームの武器であり、ボールを奪った直後のファーストパスは生命線になる。そこでクドゥスがボールを受けて前を向けば、1トップのアフェナ・ギャンや鋭く飛び出すファタウを目がけて、すかさず左足のスルーパスを繰り出す。
・左のJ・アイェウはボールを持って仕掛けるタイプで左のワイドなポジションでボールを受けてフィニッシュやクロスに持ち込む。右サイドのオドイが攻めあがった場合は、長身のJ・アイェウがアフェナ・ギャンのファー側に走り込んでヘッドで合わせる形が強力な決定機に。
・面白い形がトーマスの攻め上がりで、ワイドの展開から中央にスペースができれば、ボールを受けて危険なミドルシュートでゴールを脅かす。
・相手が引いて守備をするときは、I・ババが1ボランチのようになり、ポゼッションの流れでCB間に落ちて、トーマスがボールサイドに動いて”発射台”の役割をこなしながら、高い位置で起点ができればファイナルサードの攻撃に厚みを加えられる。アフェナ・ギャン、クドゥス、トーマスと中央に強力なタレントが揃い、左のJ・アイェウもインサイドで絡む傾向にある。左右SBはビルドアップ大きな役割を担い、相手の守備が中央を警戒してくる中でサイドからのクロスが飛び道具に。
<守備編>

・ボールサイドがプレッシャーをかけながら守備の陣形を整える作業を同時に行う。ボールロストしたエリアが中央であれば、一人が遅らせながら全体がリトリートする。
・守備時は4-1-4-1に近い形になるが、本職がトップ下であるクドゥスは高めの位置をとり、トーマスは中盤全体を見ながら、フリーマンのように動くため、【4-1-4-1】と【4-2-3-1】の中間になる。
・I・ババはトーマスの後方をカバーするように、CBのやや前方に構える。自陣の深い位置まで下がると、I・ババが最終ラインに吸収され【5-4-1】のようなシステムになる。最大のボールの奪いどころはトーマスを擁する中央エリアで、セカンドボールやイーブンボールを回収する。トーマスが幅広く動いて局面の守備に参加することによって生じるスペースを、I・ババが埋める。
注目選手(3人)
トーマス・パーティ(MF/アーセナル)
・”ブラック・スターズの顔”
・ボール奪取、組み立て、チャンスメイク、フィニッシュの全局面で主役となる攻守の要。確かなビジョンを持ち、パスで攻撃のリズムを創り出す。自らドリブルで切り込めば、強烈なミドルシュートを突き刺すなど攻撃性能も高い。
・シメオネ仕込みの守備意識を持ち、その無尽蔵のスタミナを活かしてピッチ上を走り回る。危機察知能力が高く、ドリブルで抜かれる回数が非常に少ない。
・右手の親指咥えながら左手を突き出すゴールパフォーマンスを、W杯の舞台で見られるか注目。
イニャキ・ウィリアムス(FW/アスレティック・ビルバオ)
・”バスクの黒豹”
・ラ・リーガでもトップクラスの驚異的なスピードで、守備陣を切り裂く快速ストライカー。高い身体能力も兼ね備え、裏に抜け出せば瞬く間に駆け上がり、追いつくことは不可能に近い。豪快なフィニッシュを見せれば、守備でもプレスに奔走する。
・6シーズン連続で全試合出場を果たすなど、ケガへの強さも魅力。バスク出身でスペイン代表歴もあるが、ルーツを持つサッカー協会からの熱烈な要望を受けて、9月に代表を変更。
ダニエル・アマーティ(DF/レスター)
・”高品質なCB”
・レスター加入当時は右SBが主戦場だったが、近年はコンバートされたCBで実力を証明。正確な位置取りでクロスや縦パスを防ぐ。攻撃の起点として、クサビのパスや持ち上がりでビルドアップに貢献できる。
・ 岡崎慎司らとともに、レスターの奇跡的なプレミア制覇に貢献し、現在も同クラブに在籍する「生ける伝説」。
選手一覧
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | ||
GK | ジョセフ・ウォラコット | 26 | チャートル | 10試合 | ・昨年の代表デビューから一躍チームの守護神候補に | |
16 | アブドゥル・ヌルディーン | 23 | オイペン | 2試合 | ・ヘッドガードがトレードマーク ・足下の技術や反射神経に自信 | |
1 | ローレンス・アティ・ジギ | 26 | ザンクト・ガレン | 10試合 | ・堂々とした姿勢でゴール前にそびえ立ち、反射神経は鋭い | |
12 | イブラヒム・ダンラッド | 19 | アサンテ・コトコ | 0 | ・反射神経と身体能力の高さからガーナ国内で高評価を受けるシュートストッパー | |
DF | 18 | ダニエル・アマーティ | 27 | レスター | 42試合 | ・時に慎重さを欠き、失点に繋がるミスを犯す |
23 | アレクサンダー・ジク | 28 | ストラスブール | 17試合(1) | ・カバー範囲が広く、フィード力も高い | |
14 | ギデオン・メンサー | 24 | オセール | 10試合 | ・クロスでチャンスを演出 | |
3 | デニス・オドイ | 34 | クラブ・ブルッへ | 3試合 | ・両SBをこなせるテクニシャン | |
17 | アブドゥル・ラーマン・ババ | 28 | レディングFC | 46試合 | ・ケガが多く、レンタル移籍を重ねる | |
26 | アリドゥ・セイドゥ | 22 | クレルモン | 2試合 | ・味方との連携とタスクを堅実に遂行する右SB ・昨季は所属クラブの昇格に貢献 | |
15 | ジョセフ・アイドゥー | 27 | セルタ | 10試合 | ・強靭なフィジカルを活かして対人戦と空中戦に強く、強烈なヘディングで攻守に貢献 | |
4 | モハメド・サリス | 23 | サウサンプトン | 2試合 (1) | ・クラブでのプレーに集中するために招集を拒んできた巨漢CB ・プレミアで鍛え抜かれ、対人戦には滅法強い | |
2 | タリク・ランプティ | 22 | ブライトン | 1試合 | ・チェルシーの下部組織出身の右SB ・緩急自在のドリブルでサイドを駆け上がり、クロスで決定機に結びつける ・アンダーカテゴリーではイングランド代表を選択していたが、W杯出場をためにガーナ代表を選択 | |
MF | 5 | トーマス・パーティ | 29 | アーセナル | 40試合(13) | ・2年連続でガーナの年間最優秀選手を受賞 |
20 | モハメド・クドゥス | 22 | アヤックス | 15試合(4) | ・今大会のブレイク候補 | |
8 | ダニエル・コフィ・キェレー | 26 | フライブルク | 11試合 | ・ゴールパフォでバク宙を披露 | |
13 | ダニエル・アフリイェ | 21 | ハーツ・オブ・オーク | 2試合 | ・左サイドを主戦場にする、ガーナの若きストライカー候補 | |
11 | オスマン・ブカリ | 23 | レッドスター | 7試合 (1) | ・爆発的なスピードで相手DFを置き去りにするジョーカー候補 | |
6 | エリシャ・オウス | 25 | ヘント | 2試合 | ・ボール奪取に優れ、精度の高いパスで攻撃を組み立てる | |
24 | カマル・ソワー | 22 | クラブ・ブルッへ | 0 | ・CLのグループステージでアトレティコ・マドリーとレバークーゼン相手にゴールとアシストを記録し、ラウンド16進出に貢献 | |
21 | サリス・アブドゥル・サメド | 22 | RCランス | 0 | ・献身的な守備と精度の高いパスが光る成長株 | |
22 | カマルディーン・スレマナ | 20 | スタッド・レンヌ | 12試合 | ・スピーディーかつ小刻みなドリブルで相手を振り切り、チャンスを創る「アフリカのネイマール」 | |
FW | 10 | アンドレ・アイェウ | 32 | アル・サッド | 106試合(23) | ・ベスト8入りした南アフリカ大会を経験した、ブラックスターズの”生ける伝説” ・今だにキレのあるドリブルと鋭いシュートは健在 |
19 | イニャキ・ウィリアムス | 28 | アスレティック・ビルバオ | 1試合 | ・期待の新戦力 | |
9 | ジョーダン・アイェウ | 31 | クリスタルパレス | 81試合(19) | ・巧みなドリブルでマークを剥がし、巧妙なラストパスやシュートで好機を演出する ・直接FKでゴールを狙う | |
7 | アブドゥル・ファタウ・イサハク | 18 | スポルティング | 11試合 | ・欧州のクラブで争奪戦になった超新星 | |
25 | アントワーヌ・セメニョ | 22 | ブリストル | 3試合 | ・独特なドリブルで相手DFを欺き、得点力も備える |
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