カタールW杯に出場する全32チ―ムを紹介。
今回は、カタールW杯の出場がかかったプレーオフを前に、W杯・ヨーロッパ予選を指揮したパウロ・ソウザ監督のまさかの退任で混乱に陥るも、エース・レバンドフスキの得点でスウェーデンを下し、2大会連続の出場を決めた、ヨーロッパ代表のグループC・「ポーランド代表」。
基本情報
出場回数 | 9回目(2大会連続) |
最高成績 | 3位 |
FIFA ランキング | 26位 |
首都 | ワルシャワ |
人口 | 3801万人 |
監督 | チェスワフ・ミフニエビチ |
愛称 | Biale Orly(白鷲) |
<直近6試合の成績>
6/9 | UNL | ベルギー | ● | 6-1 | A |
6/12 | UNL | オランダ | △ | 2-2 | A |
6/15 | UNL | ベルギー | ● | 0-1 | H |
9/23 | UNL | オランダ | ● | 0-2 | H |
9/26 | UNL | ウェールズ | 〇 | 0-1 | A |
11/16 | 親善試合 | チリ | 〇 | 1-0 | H |
・W杯・ヨーロッパ予選をイングランドに次ぐグループ2位で終えプレーオフに回ると、パウロ・ソウザ監督がフラメンゴに引き抜かれる形でまさかの退任。カタールW杯の出場がかかったプレーオフを前に監督交代を余儀なくされ、チームは混乱状態に陥った。
・それでも、U-21代表監督の経験があるミフニエビチを監督に据えてプレーオフに挑むと、ロシアには不戦勝、夏のEUROで敗れた難敵・スウェーデンもエース・レバンドフスキのPKなどで下し、2大会連続の本大会出場を決めた。
・ミフニエビチ監督が就任して以降、様々なシステムを試してはいるが、未だに最適解を見い出せずにいるのが現状。しかし、攻守の両輪であるレバンドフスキとシュチェスニーが万全の状態でカタールW杯に臨めるようなら、ノルマである86年大会以来のベスト16以上も見えてくるかもしれない。

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NIKE
監督
名前 | チェスワフ・ミフニエビチ |
生年月日 | 1970.2.12(52) |
国籍 | ポーランド |
就任 | 2022.1月 |
・ポーランド国内の複数クラブで指揮を執り、06/07シーズンにザグウェンビェ・ルビン、20/21シーズンにはレギア・ワルシャワを国内リーグ優勝に導き、21/22シーズンのヨーロッパ・リーグに出場。
・2017年から3年間、ポーランドU-21代表監督を務め、U-21ヨーロッパ選手権のプレーオフでポルトガルを破り、94年以来の決勝トーナメント出場に導く。
・現役時代はGK。
・リバプールのサポーターで、レバンドフスキに移籍を勧める。
・2009年には、自発的にポーランドサッカーの汚職を国家検察庁に報告し、証人として証言。
基本フォーメーション・戦術
ベストな選択肢を求め試行錯誤 結末は絶対的エースの出来栄え次第
<基本フォーメーション>

・予選プレーオフでスウェーデン、ネイションズリーグではウェールズに競り勝ったように、列強以外では指折りの競争力を誇る。
・ポーランド代表に合った最適解を見つけるため、親善試合、ネーションズリーグでは実に5つのシステムを試すなど試行錯誤を続けたが、6月の4試合は1勝にとどまり、ベルギ―には6失点でノックアウト。カタールW杯までに”チームの形を作り上げる”ことが、ミフニエビチ監督の重要なミッションだ。
<攻撃時>

・攻撃は、世界最高のストライカー・レバンドフスキに依存するところが多い。
・チームとして、ビルドアップ能力がそこまで高くなく、プレッシャーを受けるとミスを誘発して失点に直結するリスクがある。
・そこで解決策となるのが、前線のレバンドフスキへのロングボール。レバンドスキの裏への抜け出しや、ボールキープ力を活かしたポストプレーで時間を稼ぐ間に全体が高い位置を取り、両サイドのアタッカーとのコンビネーションで相手を攻略する戦術だ。
・FWは中に絞る風潮があり、SBがサイドを駆け上がるタスクを担う。特に右SBのキャッシュがアグレッシブなプレーで攻撃に加わり、レバンドフスキをターゲットにクロスを上げることがゴール量産のカギ。
<守備時>

・長身でフィジカルを備えたCBが揃い、守護神のシュチェスニーも空中戦に強いだけに、シンプルなクロスだけでは失点に結びつきにくいだろう。
・ボールを奪われると、最初はプレスを仕掛けるが、早いうちにリトリートに切り替えて相手の攻撃を窺い、レバンドフスキ以外の全選手が深い位置で守る。
・6月のベルギー戦では統率が取れずにライン間が広がり、そのスペースを活かされて相手にボールを運ばれてしまう場面が散見された。また、相手がバイタルエリアに近づくと、ボックス内のスペースを埋めることを意識した守備が特徴だけに、簡単にミドルシュートやラストパスを許すなど、本大会までに改善が求められる。
注目選手(5人)
ロベルト・レバンドフスキ (FW/バイエルン)
・”ポーランドが誇る世界最高のストライカー”
・最大の魅力は、クラブと代表で通算600ゴール以上を決めてきた脅威的な得点力。高い精度を誇る両足でのシュート、空中戦の強さ、ボールキープ力など、ストライカーに求められる能力を最高レベルで備える、世界一のストライカー。昨シーズンの公式戦では計50ゴールを叩き出した。
・ペナルティーエリアの内外からネットを揺らせる力を備え、中盤との連携やCFとしてのポジショニングセンスも素晴らしい。真のプロとして努力も怠らず、食事管理も徹底。科学的な見地に基づいたフィジカルトレーニングもずっと続けており、そのフィジカルはまったく錆びついていない。
ボイチェフ・シュチェスニー (GK/ユベントス)
・”不動の守護神”
・大柄なサイズと長い手足を駆使して、ゴール前の広いエリアを死守する。ベテランになっても鋭い反射神経と驚異的なジャンプ力は健在で、セービングとクロス処理の安定感には貫禄させ感じさせる。
・繊細な守備を求めらえるイタリアで尊敬するブッフォンから多くのことを学び、ポジショニングやDFへのコーチングでも高い評価を受ける。
・昨シーズン、セリエAで6本中3本のPKを阻止。
ピオトル・ジエリンスキ (MF/ナポリ)
・”チャンスメーカー”
・技術力を前面に発揮して随所で違いを創るアシストメーカー。一級品のパス能力だけでなくプレーインテリジェンスも兼ね備え、ビルドアップの中継地点となる。中盤から推進力のあるドリブルで相手の守備陣を切り裂き、ラストパサーとして決定機を創り出すこともできる。
・個人技でマークを剥がしてからの強烈なミドルシュートで、自ら得点を奪うこともある。攻撃的ミットフィルダーとして必要な要素をすべて揃える、まさに中盤のカギを握る選手だ。
アルカディウシュ・ミリク (FW/ユベントス)
・”多彩な得点パターンを持つストライカー”
・高いシュートセンスが最大の武器。左足から放たれる正確なミドルシュートに、ヘッドやボレーの技術も高い。また、精度の高いフリーキックにも秀でたものがあり、個人技からのゴールパターンが豊富。
・今シーズンにレンタル移籍したユベントスは、「並外れたフィジカルの強さに加え、空中戦に長けており、何よりもペナルティエリア内で非常に危険なストライカー。真のゴールへの嗅覚を持ったセンターフォワードだ」と評価。
クシシュトフ・ピョンテク (FW/フィオレンティーナ)
・“ガンスリンガー(銃の名手)”
・89分消えていても残り1分で活躍する点取り屋。エリア内で高い得点嗅覚を持ち、足か頭のワンタッチでシュートを放つ。サイドや中盤に下りて来て攻撃の組み立てにも貢献できる。
・両手をピストルにして撃つパフォーマンスが特徴。
・ミラン時代に比べて輝きは薄れるが、ストライカーとしての能力に疑いはない。
選手一覧
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | |
1 | ボイチェフ・シュチェスニー | 32 | ユベントス | 64試合 | ・筋肉系のトラブルで開幕に出遅れる |
12 | ウカシュ・スコルブスキ | 31 | ボローニャ | 7試合 | ・昨季セリアAで2位の125セーブ、セーブ率は72%を越え、奇跡的なシュートストップを見せる。 ・シュチェスニーの座を脅かす |
22 | カミル・グラバラ | 23 | コペンハーゲン | 1試合 | ・電光石火のような反射神経とゲームへの深い理解を備えたゴールキーパー ・リバプールが契約延長するほどの実力 |
15 | カミル・グリク | 34 | べネベント | 96試合(6) | ・スピードの衰えを経験でカバーし、チームを統率 |
18 | バルトシュ・べレシンスキ | 30 | サンプドリア | 43試合 | ・クラブでは右SB、代表では左を務め、いざという時はCBもできる |
5 | ヤン・べドナレク | 26 | アストン・ビラ | 42試合(1) | ・高さと強さで相手を封じ、昨季は4Gとセットプレーでも強さを発揮 |
2 | マティ・キャッシュ | 25 | アストン・ビラ | 7試合(1) | ・プレミアの全フィールドプレイヤーで最多の出場時間を記録したタフな右SB。鋭いクロスでゴールをお膳立て |
25 | ロベルト・グムニー | 24 | アウクスブルク | 3試合 | ・高精度のクロスが売りの右SB。左SBとCBもできる |
3 | アルトゥル・イェンドジェイチク | 35 | レギア・ワルシャワ | 40試合(3) | ・監督がカリスマ性、経験、人柄を尊重して3年ぶりに招集されたCB |
4 | マテウシュ・ウィエテスカ | 25 | クレルモン | 1試合 | ・高い身体能力とフィジカル全開の屈強な守備が特徴 |
10 | グジェゴシュ・クリホビアク | 32 | アル・シャバブ | 91試合(5) | ・セビージャ、PSGにも在籍したダイナモ |
11 | カミル・グロシツキ | 34 | ボゴニ・シュチェチン | 86試合(17) | ・長くイングランドでプレーし、2度のEUROとロシアW杯を経験したベテラン |
20 | ピオトル・ジエリンスキ | 28 | ナポリ | 72試合(9) | ・セリエAで首位のナポリでも大黒柱 |
19 | セバスティアン・シマンスキ | 23 | フェイエノールト | 15試合(1) | ・クリエイティビティ―に富んだチャンスメーカーで、ラストパスで空気を一変させる |
21 | ニコラ・ザレフスキ | 20 | ローマ | 5試合 | ・モウリーニョに見出された機敏なテクニシャン。 |
24 | プジェミスワフ・フランコフスキ | 27 | RCランス | 24試合(1) | ・ドリブルで1対1に挑むウイング |
17 | シモン・ジュルコフスキ | 25 | フィオレンティーナ | 5試合 | ・得点力のあるチャンスメーカー。 |
13 | ヤクブ・カミンスキ | 20 | ボルフスブルク | 3試合(1) | ・左サイドでの切れ味鋭いドリブルからのカットインが得意 |
14 | ヤクブ・キビオル | 22 | スペツィア | 2試合 | ・高さと強さを備えた中盤のフィルター役。CBも務める |
26 | ミハウ・スクラシ | 22 | レフ・ポズナニ | 1試合 | ・今季から左サイドに主戦場を変え、ECLのビジャレアル戦では2得点を記録するなど一皮むけたウインガー |
8 | ダミアン・シマニスキ | 27 | AEKアテネ | 8試合(1) | ・豊富な運動量で中盤の広範囲を動き回り、ハードなタックルで相手を潰す |
6 | クリスティアン・ビエリク | 24 | バーミンガム・シティ | 6試合 | ・強靭なフィジカルで相手を潰し、機動性も高い守備的MF |
9 | ロベルト・レバンドフスキ | 34 | バルセロナ | 132試合(76) | ・ロシアW杯後、チームメイトのレベルに不満を示し物議に |
7 | アルカディウシュ・ミリク | 28 | ユベントス | 62試合(16) | ・マンチェスター・Uのファン |
23 | クシシュトフ・ピョンテク | 27 | サレルニターナ | 23試合(10) | ・18/19シーズンに22得点をマーク |
16 | カロル・シビデルスキ | 25 | シャーロットFC | 15試合(7) | ・ポジショニングに優れた生粋の点取り屋 ・レバンドフスキと2トップを形成し、9月のウェールズ戦では決勝点を決めた |
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