基本情報
<過去5シーズンの成績>
ラ・リーガ 【優勝26回】 | 欧州カップ戦 【CL優勝5回】 | コパ・デル・レイ 【優勝31回】 | 監督 | |
17/18 | 優勝 | CL/ベスト8 | 優勝 | バルベルデ |
18/19 | 優勝 | CL/ベスト4 | 準優勝 | バルベルデ |
19/20 | 2位 | CL/ベスト8 | ベスト8 | バルベルデ➡ セティエン |
20/21 | 3位 | CL/ベスト16 | 優勝 | クーマン |
21/22 | 2位 | CL/グループステージ敗退 EL/ベスト8 | ベスト16 | クーマン➡ シャビ |
<昨シーズン>
・メッシの涙で始まった21/22シーズンは、チーム作りの失敗が元凶となり、チームは低空飛行を続け、11月に切り札シャビの招聘と冬の大型補強を実行。しかし、快進撃は1月末からの約2か月間だけだった。
生命線であったハイライン&ハイプレス戦術への相手の対策が進むと、即時奪回からの優位に攻める攻撃が鳴りを潜め、結果的に、ラ・リーガではマドリーに13ポイント差をつけられての2位、カップ戦のタイトルもことごとく逃し、CLは18シーズンぶりのGS敗退と厳しい現実を突きつけられた。
・改めて浮き彫りになったのは、悪い流れを断ち切れない反発力の弱さだ。敵地のクラシコで大勝したとはいえ、この点で宿敵との間には大きな差がある。
<今シーズン>
・クラブは今夏を境に、ペドリ、ガビ、アラウホ、アンス・ファティといった若手が中心を担うチーム作りへと完全に舵を切った。裏を返せば、長年チームを支えてきたベテラン勢を犠牲にすることも辞さない覚悟であり、補強もその観点で行われた。
早くからフリーで、ケシエとクリステンセンを獲得。デンべレ頼りのサイドを充実するためにラファーニャと、今夏の大本命であるレバンドフスキの獲得にも成功した。さらに、ピケに代わるアラウホのパートナーを務めるCBには、若さとスピードが魅力のクンデをセビージャから強奪。
一方で、クラブの最重要の売却対象となっているのが、F・デヨングだ。すでに、マンチェスター・Uとのクラブ間で合意に達しているが、本人は残留を望んでいるため、交渉は難航している。
・忘れてはならないことは、今回の大型補強が、クラブの放映権(25%)と子会社の売却、そして既存選手の給料ダウンにより捻出された資金によって行われているという点だ。つまりは、クラブの未来と資産の売却、そして人件費削減を元手に大きな賭けに出たのである。
その意味で、無冠に終わることは許されず、シャビ監督の両肩には、つねに計り知れないプレッシャーがのしかかるシーズンとなるだろう。
監督
(名前) | シャビ |
(生年月日) | 1980.1.25(42) |
(国籍) | スぺイン |
(就任) | 2021.11月 |
・誰もが認めるペップの”理想的な後継者”
・「バルセロナは世界最高のクラブ」、「引き分けや敗戦は許されず、つねに勝たなければならない」と自身で宣言しているとおり、監督としての経験が浅くとも、誰よりもバルサの価値観とサッカー哲学を理解している。
・6年半の時を経て、指揮官として帰還した昨シーズンは、リオネル・メッシ退団に始まった混迷するチームの再建を託され、無冠には終わったものの、チームに明らかな変化をもたらし、希望を感じられることから、大半のファンとメディアからは信頼を寄せらえている。
・開幕前のチーム作りから任される今シーズンは、まさに監督としての真価が問われることになる。勝負の2年目こそチームに「シャビズム」を落とし込み、結果と内容の双方で人々を納得させなければならない。
移籍市場
ポジション | 名前 | 移籍元 | 移籍金 |
GK | イニャキ・ペーニャ | ガラタサライ | レンタル復帰 |
DF | ジュル・クンデ | セビージャ | 5000万€ |
アレクサンドル・クリステンセン | チェルシー | 0€ | |
マルコス・アロンソ | チェルシー | 0€ | |
エクトル・ベジェリン | アーセナル | 0€ | |
MF | フランク・ケシエ | ミラン | 0€ |
アレックス・コジャド | グラナダ | レンタル復帰 | |
FW | ラフィーニャ | リーズ | 5800万€ |
レバンドフスキ | バイエルン | 4500万€ |
ポジション | 名前 | 移籍先 | 移籍金 |
GK | ネト | ボーンマス | 契約満了 |
DF | オスカル・ミンゲサ | セルタ | 300万€ |
ダニエウ・アウベス | プーマス | 契約満了 | |
クレマン・ラングレ | トッテナム | レンタル | |
セルジーニョ・デスト | ミラン | レンタル | |
サミュエル・ウンティティ | レッチェ | レンタル | |
ジェラール・ピケ | ー | 引退 | |
エクトル・ベジェリン | スポルティング | 100万€ | |
MF | リキ・プッチ | LA・ギャラクシー | 契約満了 |
ニコ・ゴンザレス | バレンシア | レンタル | |
FW | ピエール・エリック・オーバメヤン | チェルシー | 1200万€ |
アダマ・トラオレ | ウォルバーハンプトン | レンタル終了 | |
マーティス・ブライトワイテ | エスパニョール | 契約解除 | |
ルーク・デ・ヨング | セビージャ→PSV | レンタル終了 | |
メンフィス・デパイ | アトレティコ・マドリ | 300万€ |
基本フォーメーション
これ以上ない大型補強、バルサのDNA 、「シャビイズム」の融合で、
目指すは、欧州の覇権奪還とクラブの栄光の復活

・ハイラインを保ちながらハイプレスを仕掛けるのが基本で、ガビのような球際で戦える選手が重宝される。
・タッチライン際まで開いた両ウイングやウイングバックに、ドリブルで仕掛けるプレーを求めるが、崩しの最後の部分で、フィニッシュの精度を改善できなかったことが昨シーズンの無冠の要因。
<攻撃陣>
・冬に引き続き、この夏も前線の強化に余念がない。補強の目玉であるレバンドフスキは、メッシのように幅広くプレーに関与するタイプではないが、チャンスを確実に決める決定力は今でも世界屈指。
それだけに重要になるのが、新エースをサポートする体制。ペドリやガビのインサイドハーフ、そして、ラフィーニャの獲得とデンべレの再契約で質・量ともに充実度が増したサイドからどれだけ良いお膳立てができるかがポイントだ。
・レバンドフスキ、フェラン・トーレス、アンス・ファティ、デンべレ、ラファーニャを擁する前線は、欧州全土を見渡してもなかなかないだろう。
<中盤>
・成長著しいペドリとガビに、不動のアンカーであるブスケツが基本の布陣。
・フリーで加入したケシエは、バルセ的なMFではないが、強靭なフィジカルと、豊富な運動量を活かしたダイナミズム、そして得点力と現在のバルサに欠けている要素を多く兼ね備えている。持ち前の守備力で、SBの背後をケアし、ブスケッツをサポートするなど、攻守に期待ができる。
・インサイドハーフ、アンカー、CBとなんでもこなせるフレンキー・デヨングは、チームに不可欠な存在で、特に低い位置からドリブルで巧みにボールを運ぶ姿は圧巻。シャビ監督も「彼はここにとどまるべき」と発言するほど。
<守備陣>
・シャビ新体制に移行後、一時的に巻き返しながらも、ピケの負傷離脱で守備の不安が顕在化した。その意味で、最終ラインにテコ入れができるかどうかが焦点だったが、クリステンセンに続き、クンデの獲得にも成功。
・ネトが抜けた第2GKはイキャキ・ペーニャをガラタサライから呼び戻すことで補填。
注目選手(8人)
ペドリ(MF/スペイン代表)
・”新時代の象徴”
・大人びた冷静さと極上の冷静さで試合を組み立て、無尽蔵のスタミナと責任感ある守備でチーム全体を引き締める。その能力はCLやEUROで証明済み。
・ティキ・タカとパスでリズムを刻み、勝負どころで相手の裏をかき、時に鮮やかにゴールに沈める。本人が少年時代から憧れるアンドレス・イニエスタの後継者に、もっとも近い存在だ。
・性格は控え目で、多くを口にしない。フットボールへの情熱を内に宿し、パフォーマンスで雄弁に語るタイプだ。
ガビ(MF/スペイン代表)
・”バルセロナのDNAを受け継ぐ者”
・天性の技術で狭いスペースに切り抜け、度胸満点に敵陣に挑み、激しいタックルで観衆を沸かせる。
・スペイン代表に史上最年少の17歳62日でデビューし、以降も招集され続けている。そのプレーは、監督のシャビと比較されるほど。
アンス・ファティ(FW/スペイン代表)
・”メッシの背番号「10」を受け継ぐ神童”
・久保建英らとラ・マシアで育成されたクラブの未来を背負うアタッカー。2年前にラ・リーガ史上2番目の若さ(16歳298日)でデビューし、クラブと代表の最年少スコアラーになるなど実りのあるシーズンを過ごしたが、以降はケガを繰り返している。
・天性のスピードと技で相手守備を崩し、チャンスには冷静に重いシュートを沈める。
ロベルト・レバンドフスキ(FW/ポーランド代表)
・”現代の爆撃機”
・最大の魅力は驚異的な得点力。昨シーズンは50ゴールを叩き出した。ペナルティーエリアの内外からネットを揺らせる力を備え、中盤との連携やCFとしてのポジショニングセンスも素晴らしい。
・8月で34歳になるのがネックだが、向こう2~3年は第1線戦で活躍できるとシャビ監督も確信。
・ペドリやガビ、アラウホなど若手の成長も促しうる豊富な経験も魅力。
デンべレ(FW/フランス代表)
・”両利きのバケモン”
・1億ユーロ超の移籍金で加入するも、生活面やクラブとの問題を抱え、その額に見合う活躍をできていなかったが、シャビ監督の就任とオーバメヤンの加入で改善され、リーグトップの13アシストを記録。カンプ・ノウのブーイングがいつしか拍手喝采に。
・軽やかなタッチと急激な加減速を交えたドリブルで敵陣深くに切れ込み、課題だったラストパスも向上。
フレンキー・デヨング(MF/オランダ代表)
・”クライフを彷彿とさせる貴公子”
・優れたパス精度とポゼッション能力、ボールを運ぶ推進力、超一流の洞察力、勇敢なプレーを持ち合わせた最高級のレジスタ。
・「中盤の選手はボールをさばくけど、僕はドリブルもする。リスキーと言われるけど、僕はそう思わない。それが僕だ」と笑顔で言う。
・高年俸のこともあり、クラブからは移籍か減給を望まれている。移籍先としてはアヤックス時代の恩師であるテン・ハーフが率いるマンチェスター・Uの名が挙がっているが、本人は少年時代から「心のクラブ」と公言するクラブでプレーすることしか頭にないようだ。
・シャビ監督から「彼は売り物でないし、バルサのキープレイヤーだ。」と言われ、個人指導を受けるほど気に入れられている。
ブスケツ(MF/スペイン代表)
・”バルセロナの心臓”
・的確な判断と精緻な技術、玄人筋をうならせる独特の間で試合を作る世界的アンカーにして、バルセロナ一筋のキャリアを貫く象徴的存在。
・欠点はほぼ見当たらないが時にダイブを批判され、本人は「芝居ではない。インテリジェンスのなせる業だ。」とどこ吹く風。
テア・シュテーゲン(GK/ドイツ代表)
・”バルセロナの防波堤”
・このポジションの30代の選手で最も市場価値が高い選手で世界屈指の守護神。
・毎試合のようにビッグセーブを披露。凄まじいセービング能力は、母国のであるオリバー・カーンを彷彿とさせる。
・時には最終ラインのパス回しに加わり、相手のプレッシャーに一切の怯えも見せずにビルドアップでも貢献できる。足元の球さばきもお手のもので、中盤への縦パスや最前線への絶妙なフィードを供給する。
選手一覧
4 | ロナウド・アラウホ | 23 | ウルグアイ | 188cm/右 | 30試合(4) | ・激しく、スピードがあり、とりわけ対人守備は無類の強さを発揮する。 ・マークする相手の集中力を妨げるべく、しばしば耳打ちする |
15 | アンドレアス・クリステンセン | 26 | デンマーク | 188cm/右 | 19試合 | ・総合力の高いCB、スピードもピケやE・ガルシアに比べればある |
17 | マルコス・アロンソ | 32 | スペイン | 188cm/左 | 28試合(4) | ・マドリーのカンテラ出身だが、幼少期からバルサファン |
18 | ジョルディ・アルバ | 33 | スペイン | 170cm/左 | 30試合(2) | ・チームリーダーの1人 ・スピードに乗ってスペースへ走り抜けるプレーは今なお強力な武器 |
20 | セルジ・ロベルト | 30 | スペイン | 178cm/右 | 9試合(2) | ・近年は、度重なる負傷によって満足な出場機会を得られず ・「資生堂」のアンバサダーを務める |
23 | ジュール・クンデ | 23 | フランス | 178cm/右 | 32試合(2) | ・バルサの選手に不足しているエネルギッシュさやスピードが持ち味 ・スター性も十分な規格外の選手 |
24 | エリック・ガルシア | 21 | スペイン | 182cm/右 | 26試合 | ・7歳からラ・マシアで育てられた現代的CB ・育成時代からファティのことを弟のようにかわいがる |
28 | アレハンドロ・バルデ | 18 | スペイン | 175cm/左 | 5試合 | ・陸上経験によりバルサで最もスピードのある選手の一人 ・ラ・マシア(バルセロナの育成組織)で培った個人技と持ち味のスピードを組み合わせることで、攻撃時には相手を置き去りにしてしまう |
5 | セルヒオ・ブスケツ | 34 | スペイン | 189cm/右 | 36試合 (2) | ・「センスは年をとらない」の見本 |
6 | ガビ | 18 | スペイン | 173cm/右 | 34試合 (2) | ・シーズン終了後の代表戦でも大活躍。 ・2年目のジンクスに不安はない |
8 | ペドリ | 19 | スペイン | 174cm/右 | 12試合 (3) | ・昨シーズンケガに悩まさた分、肉体を強化。進化した姿を期待 |
19 | フランク・ケシエ | 25 | コートジボワール | 183cm/右 | 31試合 (6) | ・期待されるのは攻守の様々な局面に顔を出すダイナモとしての働き |
21 | フレンキー・デ・ヨング | 25 | オランダ | 180cm/右 | 32試合 (3) | ・いつもチャーミングな笑顔を浮かべるナイスガイながら、オランダ人らしく強い自己を持つ |
32 | パブロ・トーレ | 19 | スペイン | 173cm/右 | 31試合(10) 【ラシン・サンタンデール】 | ・ペドリ、ガビに次ぐ逸材 |
7 | ウスマン・デンべレ | 25 | フランス | 178cm/両 | 21試合 (1) | ・異才ぶりは誰もが認める。求められるのはコンスタントな働き ・イングランドフットボールを好み、リーズの大ファン |
9 | ロベルト・レバンドフスキ | 34 | ポーランド | 185cm/右 | 34試合 (35) | ・33歳にして新たな挑戦を選択。意気込みは十分 |
10 | アンス・ファティ | 19 | スペイン | 178cm/右 | 10試合 (4) | ・故障後も振りの速いキックと強烈なシュートはさび付いていない |
11 | フェラン・トーレス | 22 | スペイン | 184cm/右 | 4試合(2) 【マン・C】 18試合 (4) | ・本人曰く得点力のあるウイング。熾烈なポジション争いに挑む |
14 | メンフィス・デパイ | 28 | オランダ | 176cm/右 | 28試合 (12) | ・冬にライバルが増え、出場機会が激減し、放出候補に。スピードが武器のため、カウンター志向のチームが向いているとの声も |
22 | ラフィーニャ | 25 | ブラジル | 176cm/左 | 35試合 (11) | ・サイドの崩しからチャンスメーク、フィニッシュまでこなす多機能型 |
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