カタールW杯に出場する全32チームを紹介。
今回は、挙国体制で2019年にアジアカップ制覇を成し遂げ、W杯初出場となる祖国と開催国としての威信を背負う、アジア代表のグループA・「カタール代表」。
基本情報
出場回数 | 初出場 |
最高成績 | なし |
FIFAランキング | 49位 |
首都 | ドーハ |
人口 | 280万人 |
監督 | フェリックス・サンチェス |
愛称 | アンナビ(預言者) |
<直近6試合の成績>
8/21 | 親善試合 | モロッコA | △ | 2-2 | H |
8/24 | 親善試合 | ガーナA | 〇 | 2-1 | H |
8/27 | 親善試合 | ジャマイカ | △ | 1-1 | H |
9/21 | 親善試合 | クロアチアU-23 | ● | 0-3 | H |
9/24 | 親善試合 | カナダ | ● | 0-2 | H |
9/28 | 親善試合 | チリ | △ | 2-2 | H |
・中東ならではの潤沢な資金力を活かして「アスパイヤ・アカデミー」と呼ばれる国家規模の育成機関を設立し、アンダーカテゴリーから一貫した強化を行ってきた。監督にはバルセロナのカンテラで育成実績のあるフェリックス・サンチェスを据え、国際基準のスキルや戦術眼を植え付けさせた。その成果が2019年のアジアカップ制覇だ。
・多くの国がW杯予選で試合を行う中、予選を免除かつコロナ渦が重なり、チーム完成度の向上と強化に苦戦を強いられた。しかし、今大会はシーズンの途中に行われる分、各国の準備期間が短い中で余裕をもって臨めることが有利に作用すると考えられる。
・予選グループには、欧州の強豪オランダとアフリカ・ネーションズカップを制したセネガル、南米のエクアドルが同居。一筋縄ではいかない対戦相手ばかりだが、開催国のアドバンテージを最大限に活かして、グループステージ突破を目指す。
監督
(名前) | フェリックス・サンチェス |
(生年月日) | 1975.12.13 |
(国籍) | スペイン |
(就任) | 2017.7月 |
・20代でバルセロナのカンテラで指導し、その経験を買われて2006年にアスパイア・アカデミーへ。自国開催のW杯に向けてU-19から指揮を執り、スペイン流の戦術を植え付けながらチームを長期的に強化してきた。
・2019年には、決勝で日本を破りアジアカップ制覇を成し遂げ、カタールに初のメジャータイトルをもたらす。
・戦術眼に加えて人望が厚い。
基本フォーメーション&戦術
挙国一致のサポート体制で 国家プロジェクトに有終のサプライズを
<攻撃編>

・カタールの強みは、相手の守備陣形を観察しながら、攻撃の組み立てを変更できる点。アル・ハイドスがアンカーの位置に落ちてきたり、IHのどちらかから前線に参加したりする。
・3バックを基本にキーパーを加えて丁寧にビルドアップし、ボランチを経由してボールサイドの高い位置を取るウイングバックが起点になる。ただし、反対側のWBが実質SBの位置まで下がりバランスを取る。流れ次第で、サイドチェンジを行う時は反対側のWBが上がってボールを受け取る。アフィフが二列目に加わり、代わりにWBアフメド・MFアル・ハイドスが前線に出て行く可変性もある。
・“飛び道具“としてCBフーヒがオーバーラップし、二列目に加わりチャンスメイクやフィニッシュに絡む。
<守備編>

・攻撃から守備の局面では、素早くプレスをかけるが、奪回するか相手を遅らせるかは状況次第で、WBが高い位置を取る分ボランチが適度にバランスを取りながら帰陣する。
・高い位置では3バックを敷くが、自陣では5バックになり、その場合はトップ下のアル・ハイドスもボランチと同じ位置を取り守備に参加する。アフィフが二列目に吸収されて[5-4-1]に成ることも。5バックのボールサイドの選手が前に出てボランチと一緒にボールホルダーを潰しに行き、ラインに残った選手が距離を詰める。
注目選手(3人)
ハッサン・アル・ハイドス (MF/アル・サッド)
・”司令塔”
・華麗なボール捌きと高い攻撃センスで攻撃を牽引する絶対的なアタッカー。鋭い突破から最高のラストパスを供給するだけでなく、自らゴールも奪える。
・元は右ウイングの選手だが、今の代表ではトップ下に入り強力な2トップを活性化させる。
サード・アル・シーブ (GK/アル・サッド)
・”守護神”
・鋼のメンタリティを持ち、厳しい局面でも正確なポジショニングと冷静な対応で、幾度となく好セーブを決める。ビルドアップにも参加し、DFラインの背後を幅広くカバーする。
・2019年のアジアカップでは、7試合を1失点に抑えて大会ベストGKに選出された。
アクラム・アフィーフ (FW/アル・サッド)
・”カタールのエース・ストライカー”
・スピードを活かしたドリブルで敵陣を切り裂き、意表を突いたラストパスで違いを生み出す。コンパクトな振りの強烈なミドルシュートでゴールを脅かすことも。
・アリと組む2トップは、個でも連携でも世界の強豪相手に脅威となる。
選手一覧
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | |
1 | サード・アル・シーブ | 32 | アル・サッド | 80試合 | ・アカデミーからアル・サッド一筋 |
22 | メシャール・バルシャム | 24 | アル・サッド | 15試合 | ・アルサッドで同僚のアル・シーブと守護神を競う |
21 | ユースフ・ハサン | 26 | アル・ガラファ | 9試合 | ・至近距離からのシュートに対するセービング能力の高さが魅力 |
16 | ブアレム・フーヒ | 32 | アル・サッド | 99試合(21) | ・DFのリーダー格 ・最終ラインからの攻め上りとミドルシュートが特徴 |
2 | ロー・ロー | 32 | アル・サッド | 79試合(1) | ・絶妙なポジショニングで鋭い縦パスを放つDF |
5 | タレク・サルマン | 24 | アル・サッド | 54試合 | ・守備センスとボールスキルで攻守を仕切る |
15 | バサム・アル・ラウィ | 24 | アル・ドゥハイル | 51試合(2) | ・読みと決断力で3バックを統率 |
20 | サレム・アル・ハジリ | 26 | アル・サッド | 23試合 | ・アスパイヤ・アカデミー出身 ・高い強度の守備で相手を潰す ・ボランチとCBをこなす |
25 | ジャッセム・ガベル | 20 | アル・アラビ | 0 | ・守備に定評のある若手の逸材 ・パス捌きで、攻撃の組み立てに流動性をもたらす |
3 | アブデルカリム・ハッサン | 29 | アル・サッド | 121試合 | ・空中戦に強く、目の前にスペースを与えれば豪快な攻め上がりを見せる ・ベルギー1部でプレイ経験あり |
13 | ムサブ・ヘデル | 29 | アル・サッド | 29試合 | ・サイドからの攻撃に積極的に参加 |
10 | ハッサン・アル・ハイドス | 31 | アル・サッド | 163試合(33) | ・カタール歴代最多のキャップ数を誇る |
12 | カリム・ブディアフ | 32 | アル・ドゥハイル | 108試合(5) | ・ボールさばきでサイドチェンジの起点に |
6 | アブドゥル・アジズ・ハテム | 32 | アル・ラーヤン | 97試合(11) | ・攻守両面で輝く精神的支柱 ・得点力も秘める |
17 | イスマイル・モハメド | 32 | アル・ドゥハイル | 66試合(4) | ・正確なクロスとインサイドに流れての仕掛けに注目 |
23 | アシム・マディボ | 26 | アル・ドゥハイル | 43試合 | ・小柄ながら高いボール奪取力が武器の”カタールのカンテ” ・フランス育成の名門オセール出身 |
14 | ホマフ・アフメド | 23 | アル・ガラフィ | 25試合(2) | ・良質なクロスとミドルシュートが魅力 |
4 | モハメド・ワード | 23 | アル・サッド | 18試合 | ・左足から放たれる正確なパスと強烈なミドルシュートが武器 ・デュエルで強さを見せる |
8 | アリ・アサド | 29 | アル・サッド | 56試合(12) | ・左右の足からクロスとスルーパスを繰り出す |
11 | アクラム・アフィフ | 26 | アル・サッド | 83試合(24) | ・スペインでプレーした初めてのカタール人 |
19 | アルムーズ・アリ | 26 | アル・ドゥハイル | 74試合(39) | ・カタールの命運を握るゴールマシーン ・19年アジアカップ決勝で日本相手に先制ゴールを決める |
7 | アフメド・アラーエルディン | 29 | アル・ガラフィ | 45試合(1) | ・エジプト産アタッカー ・高い身体能力を活かして違いを創り出す |
9 | モハメド・ムンタリ | 28 | アル・ドゥハイル | 45試合(12) | ・長身を生かしたヘッドは脅威 |
18 | ハリド・ムニール | 24 | アル・ワクラ | 2試合 | ・切れ味鋭いドリブルで左サイドからチャンスを創り出す気鋭のウイング ・監督の愛弟子 |
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