カタールW杯に出場する全32チームを紹介。
今回は、メキシコ、カナダが集う北中米カリブ海予選を1位で通過し、36年ぶりのW杯出場を決めた、北中米カリブ海代表のグループF・「カナダ代表」。
基本情報
出場回数 | 2回目 |
最高成績 | グループステージ敗退 |
FIFA ランキング | 43位 |
首都 | オタワ |
人口 | 3789万人 |
監督 | ジョン・ハードマン |
愛称 | レ・ルージュ(赤) |
<直近6試合の成績>
3/31 | W杯予選 | パナマ | ● | 1-0 | A |
6/10 | CNL | キュラソー | 〇 | 4-0 | H |
6/14 | 親善試合 | ホンジュラス | ● | 2-1 | A |
9/24 | 親善試合 | カタール | 〇 | 0-2 | A |
9/28 | 親善試合 | ウルグアイ | ● | 0-2 | H |
11/17 | 親善試合 | 日本 | 〇 | 2-1 | N |
・北中米カリブ海予選では、第5節の時点で4位に転落して以降は、順調に勝ち点3を積み重ね、第13節のジャマイカ戦に4-0に勝利し、1986年メキシコ大会以来36年ぶりのW杯出場を決めた。最終予選でのチーム総得点「23」は8チーム中最多で、失点数「7」も最小と、攻守の両面で他のチームを圧倒した。
・カナダは国民の20%が海外出身という移民国家であり、両親がアフリカ出身のデイビス、ジャマイカにルーツを持つラリン、年別のポルトガル代表歴を持つエウスタキオなど、多種多様な能力をもつ人材が集まっている。そんな彼らが、国内リーグからメジャーリーグサッカー(アメリカ)を経由してヨーロッパへとステップアップすることで、代表チームのレベルも上がり、メキシコやアメリカと競い合える力を身に付けた
・36年前のメキシコ大会では、3連敗で無得点に終わったが、今大会では単なるアウトサイダーでは終わらず、確実に爪痕を残せるだけのポテンシャルを秘めている。
監督
名前 | ジョン・ハードマン |
生年月日 | 1975.7.19(47) |
国籍 | イングランド |
就任 | 2018.1月 |
・2018年8月の就任からW杯出場に向けて全神経を集中させ、代表チームの強化に励む。最初は半信半疑だったファンやメディアには熱く語りかけ、選手たちにはモチベーションを与えることで、チームの可能性を信じ込ませ、長く続いた暗黒時代に終止符を打つ。
・「熱意、確信、共感」をチームに求める
・学生時代に指導者キャリアを始め、ニュージーランドやカナダの女子代表監督を歴任。2012年のロンドンオリンピックと2016年のリオオリンピックではカナダ女子代表を指揮し、銅メダルに輝く。
・今回のW杯に出場により、男女の代表チームをW杯に導いた史上初の指揮官に。
・ニューキャッスルがお気に入りのチーム
基本フォーメーション・戦術
ボールを奪われた瞬間の切り替えは秀逸 36年ぶりの大舞台でも不安はない
<基本フォーメーション>

・高いアスリート能力を持つ選手たちを上手く戦術に落とし込み、強度が高く、スピーディーなトランジションを軸とするスタイルが特徴。
・相手に合わせて4バックと3バックを使い分ける。組織的に連動したプレスでボールを奪ってからの2トップを活かしたカウンターが武器で、強豪国にも引けを取らない質の高さを誇る。
・注目は、左サイドを駆け上がり、崩しやフィニッシュに絡むデイビスと、代表30試合で20得点を記録しているデイビット。
<攻撃時>

・ビルドアップの際は、両SBが高い位置を取り、ミラーとラリーアが左右に開いてパスの受け手となり、3バック気味でパスを回し、エウスタキオとハッチンソンが近い位置を取ることで多くの選択肢が生まれ、スムーズにパスを回す。
・基本的にグラウンダーのパスを繋ぎながら着実にボールを前に運び、サイドからアタッキングサードへの侵入を狙う。相手が高い位置を取って守備をする場合は、即座にロングパスを配給し、スピードのあるデイビス、アデクグべを走らせて、一気にチャンスを作る。
<守備時>

・ボールを奪われた場面では、スピーディーなボール回収と再攻撃を狙う。複数人でプレッシャーを仕掛けながら、相手をサイドに追い込み、数的優位を作りだす。
・ボールを奪取すれば、勢いそのままにショートカウンターを仕掛け、ゴール前に多くの選手が走り込むことで得点を狙う。
注目選手(3人)
アルフォンソ・デイビス (DF/バイエルン)
・”爆速王”
・前方のスペースにボールが出ると、最初の1,2歩でマーカーを抜き去り、そこからの加速で置き去りにする圧倒的なスピード、自陣でのボール奪取から一気に敵陣深くまで運び、展開をひっくり返す突破力は他に類を見ないレベル。
・チームが相手を押し込んでいる際は、サイドからのドリブル突破やクロスでチャンスメークの一翼を担うなど、違いを作り出す局面打開の切り札として絶対的に不可欠な存在。
・世界屈指の名門バイエルンでレギュラーに定着し、カナダ人として初めてのCL制覇を果たす。
ジョナサン・デイビット (FW/リール)
・”カナダの至宝”
・アタッカーに求められる全ての仕事をソツなくこなし、天性の嗅覚でゴールを陥れるポイントゲッター。スピードとフィジカルを駆使して相手の最終ラインを攻略すれば、破壊力抜群のシュートをゴールに突き刺す。
・所属チームのリールでは、20/21シーズンにパリ・サンジェルマンとの直接対決でリーグ・アン優勝をたぐり寄せるゴールを奪ったことも。
スティーブン・エウスタキオ (MF/ポルト)
・”司令塔”
・シャビ・アロンソを彷彿とさせる、広範囲に長短のパスを散らして攻撃の方向性を示すセントラルMF。チームに必要不可欠なバランサーとして、攻撃の組み立て役を担う。正確な右足から繰り出される、ミドルシュートやFKでゴールを脅かすことも。
・危機察知能力も高く、素早くボールホルダーに詰めよれば的確な守備対応でボールを奪う。
選手一覧
No. | 名前 | 年齢 | 所属チーム | 代表成績(得点) | |
18 | ミラン・ボージャン | 35 | レッドスター | 65試合 | ・野暮な飛び出しはせず、巨漢を活かしたシュートストップを見せる |
1 | デイン・セント・クレア | 25 | ミネソタ・ユナイテッド | 1試合 | ・総合力が高く、PKストップに自信 |
16 | ジェームズ・パンテミス | 25 | CFモントリオール | 0 | ・マクシム・クレポーのケガにより追加招集せれた |
19 | アルフォンソ・デイビス | 22 | バイエルン | 32試合(12) | ・チームの精神的支柱で、太陽のように仲間を照らす |
5 | スティーブン・ビトーリア | 35 | GD シャヴェズ | 32試合(3) | ・大型CB ・FWでのプレー経験があり、得点能力が高い |
3 | サム・アデクグべ | 27 | ハタイスポル | 31試合(1) | ・単独突破と連携での突破を使いわける |
22 | リッチー・ラリーア | 27 | トロントFC | 30試合(1) | ・サイドとインサイドの両方で多彩な働きができる影のキーマン ・両足を遜色なく使い分け、両サイドで起用可能 |
2 | アリスター・ジョンストン | 24 | モントリオール | 26試合(1) | ・ゴールドカップでは3バックの右を主戦場に、右WBでも躍動 |
4 | カマル・ミラー | 25 | モントリオール | 25試合 | ・強靭なフィジカルで対人戦を制する |
25 | デレク・コーネリアス | 24 | パネトリコス | 14試合 | ・強靭なフィジカルを活かした堅実な守備に加えて、ユース時代にFWであった経験からオーバラップして攻撃に参加することも |
26 | ジョエル・ウォーターマン | 26 | モントリオール | 0 | ・足元技術に自信のあるCB ・今までに2度代表チームに招集されているが出場はない |
13 | アティバ・ハッチンソン | 39 | ベシクタシュJK | 97試合(9) | ・アグレッシブなプレーで、キャプテンとしての存在感を示す |
6 | サミュエル・ピエット | 28 | モントリオール | 62試合 | ・精力的に動き回り、ボールを奪い取る |
21 | ジョナサン・オソリオ | 30 | トロントFC | 55試合(7) | ・パスセンスと得点感覚に優れるリーダーの1人 |
14 | マーク・アントニー・ケイ | 27 | コロラド・ラピッズ | 35試合(2) | ・長い足から巧みなパスやミドルシュートを繰り出す |
7 | スティーブン・エウスタキオ | 25 | ポルト | 24試合(3) | ・U-21ではポルトガル代表でプレー |
8 | リアム・フレイザー | 24 | ダインゼ | 14試合 | ・中盤の底で相手を潰してボールを回収すれば、正確なロングパスで局面を打開する |
15 | イスマエル・コネ | 20 | モントリオール | 4試合 | ・足下のスキルに高いポテンシャルを秘める大型MF ・コートジボワール出身 |
24 | デイヴィッド・ウォザースプーン | 32 | セント・ジョンストン | 10試合(1) | ・巧妙なテクニックとパスで違いを創り出すチャンスメーカー ・靭帯断裂から復帰 |
17 | サイル・ラリン | 27 | クラブ・ブルッヘ | 52試合(24) | ・代表通算ゴールで歴代1位(25ゴール)を誇る ・最終予選では6ゴールで得点王に |
10 | デイビット・ホイレット | 32 | レディング | 47試合(14) | ・多彩な得点パターンを持ち、イングランドで長年活躍 |
9 | ルーカス・カバリーニ | 29 | バンクーバー・ホワイトキャップス | 32試合(17) | ・巧妙な動きでマークを外し、強烈なヘッドでゴールを決める |
20 | ジョナサン・デイビット | 22 | リール | 32試合(21) | ・21/22シーズンは10位に沈み、主力が抜ける中、チームに残留 |
11 | タジョン・ブキャナン | 23 | クラブ・ブルージュ | 24試合(4) | ・最終予選ベスト11と最優秀ヤングプレイヤーに選ばれる |
12 | アイケ・ウグボ | 24 | トワロFC | 6試合 | ・鋭い加速でマークを外し、ゴール前で決定的な仕事をやってのける |
23 | リアム・ミラー | 23 | バーゼル | 15試合 | ・突破力と得点力を兼ね備え、試合の流れを変えるジョーカー役に期待 |
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